オメガは2024年1月、新作「スピードマスター ダーク サイド オブ ザ ムーン アポロ8号」を発表した。
1968年に打ち上げられ、史上初となる有人月周回に成功し、安全に地球に帰還したアポロ8号。このミッションから50年の節目に当たる2018年、地球からは見えない“月の裏側”を意匠に取り入れたモデルとして発売されたのが「スピードマスター ダーク サイド オブ ザ ムーン アポロ8号」だ。このコンセプトはそのままに、現代的なアップデートを果たした新作モデルが今回、発表された。
新作モデルの最大の特徴は、手巻きムーブメントCal.3869へとアップデートしたことである。「スピードマスター ムーンウォッチ」にも搭載されるCal.3861をスケルトナイズし、ブラックの地板とブリッジに月面のレリーフをあしらったCal.3869は、コーアクシャル脱進機を搭載した、マスタークロノメーター認定ムーブメントだ。
精緻なレーザーエングレービングとコントラストのある表面によって、前作に搭載されていたCal.1869よりもいっそう月面のテクスチャが詳細になっているという。
なお、前作同様、オメガコピー文字盤側からはグレーの色みの強い、地球から見る“月の表側”を、シースルーバックからはブラックの強い“月の裏側”を表現した意匠を楽しめる。見た目の楽しさに加えて、高い耐磁性能と優れた精度に代表される実用性を備えたムーブメントは、多くの時計愛好家の所有欲を刺激するに違いない。
ムーブメントのみならず、外装にも細かなアップデートが加えられている。
9時位置のスモールセコンドに、グレード5チタン製の、NASAのサターンVロケットをかたどった針が搭載されたのだ。特許出願中のこの針は、回転レーザー加工で作られた3D構造で、ホワイトのニスで色付けした後、レーザー加工で最終的な装飾と黒いカラーリングを施している。
また、セラミックス製ベゼルのタキメータースケールは、ホワイトのグラン・フー・エナメルによって施されている。前作ではTACHYMETREの文字がイエローだったが、本作ではホワイトとなっている。ただし、クロノグラフ秒針やインデックスの先端、そしてストラップにイエローが施されることで、レーシーな印象も備えている。